古賀 いずみさんと漆戸 啓さんによる男女デュオグループによる楽曲です。
真冬の夜中を舞台にしながらも柔らかかつ温かな愛を歌い上げた一曲で、バンド名通り実際にいとこ同士であるからか絶妙にマッチした声とハーモニーが素晴らしい世界観を作り出しています。
サッポロビールの「冬物語」のCMに起用されたことで人気に火がつき、数十万枚を超えるほどの大ヒットとなりましたが、それも頷けるほどのクオリティです。
冬のピリっとするほどの寒さを肌で感じられるような、それでいて喧騒とは無縁な静かな雰囲気、様々なことが起こったとしても二人で乗り越えていくんだという、確かな、しかし静かな決意、周りを決して敵視することなく、それでも互いだけを見ていくんだといった感じの熱情……、ともすれば思いが強くなり過ぎて重くハードになってしまいがちな要素の数々を「カズン」ならではの柔らかさと爽やかさ、そして透明感で歌い上げているこの曲は、確かにワンフレーズだけで人の心を惹きつけるに十分すぎるものがありましたし、一曲をフルで聞くとなおさら素晴らしく、何度でも聴きたくなってしまうだけの魅力に満ちています。
一方でこの曲には、どこまでも「波乱」がありません。
色々なことがあったことが暗示されてはいるものの、二人の愛と結束はまったく磐石であり、燃えるような熱情すらも入り込む余地がないといった印象を受けることも事実です。
だからこそ、この曲の後を継ぐような静かな冬の恋を歌った名曲は登場しにくいのかも知れません。